ここのところ、フジファブリックの「桜の季節」を電車の中とかで聴いているんだけれど、泣いたりはしない。ずっとよくわからなかった、ネガティブなものっていうのが見えた気がした。フジファブリックの曲の歌詞には、たいてい女の子と男の子が出てきていて、男の子の目線を借りて物語が進んでいく。正確にいえば進まないんだけれど、たいてい、ネガティブな関係(つまり別れるとか別れるとか)になっていく。そのネガティブなつながりを、ネガティブだと決定してくれる言葉が歌詞にはなかったから、ずっと戸惑っていたんだけれど、その決定が下されるすんでのところにあるものが、躊躇いみたいなものなんだろうなと、ふと思った。と思ってから、そうにしか聞こえなくなってしまって。つまり、ずっと別れる、別れたの区切りがつけられないまま、男の子が躊躇っている。そのまま、曲が終わっていく。
そんな僕は、躊躇いっぱなし。